第5回ドミニオン日本選手権に参加しました(前編)

改めましてホビージャパン・ゲームフェスティバル2015にて開催された第5回ドミニオン日本選手権に参加してきた。 長いので一言でまとめるドミニオン楽しかったです。

前日まで考えていたこと

ドミニオン歴は先輩に嵌められて教えてもらってから始めて3年間くらい。 基本、身内同士かオンライン(iso, goko)でまったりプレイしていただけなので、経験も知識も理論も穴だらけなのは自覚済み。 大会経験などもこれといって特になし。 そんなのがガチ勢が集う大会に行ってもいいのかとも思ったが、自分の中では以下の目標と方針を立てて挑んだ。

  • 1回くらいは1位を取りたい
  • 予選突破できれば御の字
  • コンボ構築では熟練者に勝てないので強い自制心を持つ

まあ「決勝に進めたら遊べる回数が増えるよ! やったねたえちゃん!」くらいのつもりで、普段は会えない色んな方と楽しもうと思っていました。

試合備忘録

自分の初手や方針、試合中に悩んだところとかについて。 初手の順番はもしかしたら間違えているかも。

1回戦

  • サプライ: 工房 鍛冶屋 玉座の間 祝祭 書庫 愚者の黄金 画策 香辛料商人 街道 農地
  • 4番手
  • 初手: 銀-鍛冶屋

見渡すと色々なルートがありそうだが4番手。 そして2番手が書庫-愚者、3番手が香辛料商人-愚者と来たので、愚者おっかけは厳しい。 なので、ここは4位を避ける手として鍛冶屋ステロを選択。

結果としては、銅貨を焼きつつ愚者の黄金を集めた3番手が属州をしっかり集めて終了。 自分は3位。 4位は避けたけど、幸先は悪い。


悩んだのは鍛冶屋を撃って手札が6金 + 屋敷になった時。 まだ中盤に入りかけくらいなので何も考えなければ金貨だが、農地を入れて屋敷を鍛冶屋の2枚目にすれば、実質1ターンで鍛冶屋と銀貨を購入したとも言える。 ここでは後者を選択したが、どっちがよかったのかまだわからない。 なお2枚の鍛冶屋はいつも手札5枚の中でイチャついてました。 爆発しろ。

そしてミスだったのは属州を買い始めた局面で、リシャッフル前に3金で屋敷を購入したところ。 その次のリシャッフルが入るまで、手札が4金-4金-1金となってしまい、恐らく3点以上は失った。 ゲームの進行具合の把握やステロの刻み感覚がまだまだ未熟なのが露呈してしまった。

ところでこのサプライ、いくつかの卓では街道・市場による瞬獄殺が決まったらしい。 まあできる人はできるよね……

2回戦

  • サプライ: 礼拝堂 村 木こり 密偵 金貸し 研究所 義賊 シルクロード 辺境伯 大使館
  • 1番手
  • 初手: 銀-銀

これまた色々なルートがあるサプライだが、まだ自制心が働く。 辺境伯ステロか大使館ステロか、いずれにしても初手は銀-銀。 義賊がチラッと見えたが「まあ大丈夫やろw」くらいの気持ちでいたら、3番手が2ターン目4金で義賊購入。 そしてめくられる銀貨と銅貨。*1

3・4Tはどちらも銀貨購入、なんとかデッキ3巡目で5金に届く。 正直かなり遅れているが、直前の一人回し練習を信じて大使館ステロをすることに。

辺境伯を撃たれながらも何とか8金を届かせていくが、最後は村・辺境伯をしていた4番手がシルクロードで稼いで追いつかれる。 最終的には同点手番差で2位に。 シルクロードを舐めてはいけないのは大会直前ミニトーナメントでも学んだはずなのに、カットしきれず無念。

3回戦

  • サプライ: 泥棒 庭園 議事堂 岐路 坑道 開発 遊牧民の野営地 地図職人 国境の村
  • 2番手
  • 初手: 議事堂-岐路

自制心終了のお知らせ。

方針としては地図職人で坑道を落としつつ、掘り当てた金貨を改築で属州にするプラン。 (1番手も似たような感じ) 改築と国境の村があるので、点数が上回るいい感じなタイミングで強引に3山切れで終わらせるのをゴールに見据える。 自制心とはなんだったのか。

そして4番手が属州1枚、1番手が属州3枚、自分が属州2枚の状態で迎えた運命のターン。 4番手と1番手の議事堂サポートで増えた手札を、地図職人でデッキを操作しながら国境の村と議事堂で更に増やして引き切り。 ここで改築を使えば、金貨を焼いて属州2枚 + αの点数を獲得できるが、ふと疑問に思う。 「本当に次のターンを回していいのか?」と。

1番手と自分が議事堂乱舞しているせいで、3番手と4番手は手札10枚、リードしている1番手も8枚という状況。 そしてサプライは国境の村が1枚、議事堂が2枚、坑道が2枚という、いつ終わってもおかしくない状態。

ここで獲得する属州を1枚に留めて自分が無理やり終わらせると、1番手と主に坑道の刻みで1位を競うことになる。 一方、属州2枚 + αを獲得してゲームを続行させると次のような状態になると考えられる。

  • 3番手はかき集めた坑道で上手く金貨を掘り当てているので、次ターンは大きく点数を伸ばしてくる。 ただしまだ属州0なので終わらせてくるかは怪しい。
  • 4番手は既に属州を1枚持っている + 手札10枚なので、捲ってきた上で終わらせる可能性がある。
  • それでも終わらず1番手にまで回ってくると、間違いなく捲くられた上で、ゲームが終わる。

ということで続行した場合、自分が1位になる可能性は極めて低いと判断し、確実に2位以上が取れるこのタイミングで強引にゲームを終了させる。 結果はやっぱり刻みで1番手に負けて2位。


ここまでで3-2-2位で7pt。 最後に1位を取ればギリギリ予選通過ラインなので、首の皮一枚繋がる。 さらに自分が終わらせたために4位になった3番手の方がドロップ欄に丸を付けながら「これで1位取らなきゃわかってるよね?」と言って会場を去ったので、色んな意味で負けられない状態に……

4回戦

  • サプライ: 地下貯蔵庫 祝宴 役人 魔女 市場 神託 交易人 厩舎 値切り屋 不正利得
  • 2番手
  • 初手: 銀-交易人

とうとうやってきた荒れ場サプライ。 更に1番手と3番手がどちらも魔女-地下貯蔵庫でスタートして辛い気持ちになる。 交易人は大会前の練習ではリアクション全く活かせなかったので信用していなかったが、だからと言って入れないわけにもいかず銀-交易人でスタート。 この時点では「公領・屋敷・呪いの3山エンドかなぁ」とか考えていた。 しかしここから奇跡的なデッキ回転が始まる。

まず3T目の手札に「銅 銅 銀 屋敷 交易人」が来て、更に1番手の魔女をリアクション。 自分のターンでは屋敷を銀2枚に換えつつ、2枚目の交易人を購入。 4T目に神託を購入後、リシャッフルした手札で3番手の魔女も交易人でリアクション。 この辺りで場が「え、なにこれ、交易人ってこんな使える子だったの?」みたいな空気になる。 (そして他の人も目を丸くしながら交易人を積み始める)

その後、神託をもう1枚入れたあとは、ひたすらリアクションしながら財宝を買い続け、なぜか荒れ場なのに8金が安定して出るデッキになる。 神託はデッキに下の方に沈みがちで中々撃てなかったが、魔女をめくって落とすというファインプレイを見せる。 結局、他の人が公領を買い始める中、自分はそのまま属州を買い続ける。

最終的に公領と銀貨が切れ、なぜか残り1枚になっていた交易人を自分で切らして終了。 属州7・公領2・屋敷1・呪い1の48点(!)で圧勝。 3回戦3番手の方にもなんとか顔向けできる結果。 魔女はかれこれ10回以上撃たれていたが、獲得した呪いはわずか3枚(内2枚は交易人で廃棄)。 ちなみに銀貨は確か16枚。

結論: 交易人は偉大、交易人は神。


悩んだのは中盤で手札が「銅 銅 銀 銀 交易人」と来た時。 大人しく金貨を購入するか、銀を焼きつつ銀を購入して、デッキを中和するか。 ここでは中和するほど呪いを受けていなかったし、「デッキ厚くなったら魔女リアクションしにくくなるだろ」という思考で金貨を購入。

そして何よりも疑問なのは、初手で1・3番手の方が不正利得を入れなかったところ。 地下所蔵庫で回してたくさん撃つ方針だったみたいだけど、たぶん不正利得で2巡目のデッキを汚されたら、こうはならなかったんじゃないかな……

予選結果

最終的な大会勝利点は13pt。 順位表に予選通過ラインを跨いで13ptのプレイヤーが並ぶ中、総獲得勝利点数で予選通過。 どう考えても4戦目の48点のお陰です。

ドミニオンできる回数が4回増えるよ! やったねたえちゃん!」

予選が終わって考えていたこと

ドミニオン楽しい。

という当たり前なことは置いておいて、正直自分の実力で予選通過できるとは思っていなかった。 そして通過したのは明らかに4回戦の交易神のお陰なので、こんな実力で2日目に行っていいのかとも少し思った。 しかし直前の練習ではひたすらに不運(例: 初手の大使館がボトムに沈む, オアシス-オアシスで入って5金が出ない)に頭を抱えたことを思い返し、 「あそこで不運を削ぎ落したご褒美で今日勝ち上がれた」と考え、前向きに2日目に臨むことにした。

サプライに関してだと、基本・異郷というレギュレーションの中で予想以上にコンボできるサプライが来たのビックリだった。 あと大正義よろずやが午前・午後通して出なかったのは、対抗できるルートのあるサプライが作れなかったからかな?


というわけで後編へ続く。 autopp.hatenablog.com

*1:せめて銀貨屋敷なら……